DX化により得られる8つのメリットと実現を阻む課題、DX推進の3つのコツ

企業にさまざまなメリットをもたらすDXは昨今注目を浴びており、DX実現に向けて日々デジタル技術を導入し駆使している企業が増えてきています。しかし、D実現を阻む課題も残っているのが現実です。メリットばかりのDX化を阻む課題がいかなるものなのか、DX推進のためのコツと併せてお伝えしていきます。

1. DX化とは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは直訳するとデジタル変革となり、ビジネスに限らずデジタル技術の浸透により人々の生活をより良いものへと変革することです。

ビジネスにおいては、デジタル技術を活用して業務プロセスの改善や新たなビジネスモデルの創出、レガシーシステムからの脱却、企業文化に変革を起こすなどすることで、市場における企業の競争力を高めることとされています。なお、その根底には社会のニーズに応えた新しい価値を提供することで、企業の持続可能な未来を構築する目的があります。

DXは、経済産業省のデジタルガバナンスコード2.0(旧DX推進ガイドライン)で以下のように定義されています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

参照:chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc2.pdf

1-1. デジタル化との違い

DXとデジタル化は似ていますが、目的が異なります。DXの目的は、デジタル技術を用いて企業に変革をもたらすことです。その一方でデジタル化の目的は、アナログ状態のものをデジタルに切り替えることです。具体的に、デジタル化とは以下のようなことです。

  • タイムカードを廃止し、勤怠管理システムを導入する
  • オフライン会議からオンライン会議へ移行する
  • 紙媒体を廃止し、PDFなどへ電子化する
  • 押印を廃止し、電子契約化する

1-2. IT化との違い

DXやデジタル化とIT化は、またさらに目的に違いがあります。IT化の目的はデジタル化したデータを活用して生産性向上や業務効率化を図ることです。具体的に、IT化とは以下のようなことです。

  • 勤怠管理システムを導入することで、勤務表への入力ミスや打刻漏れを防止したり、労働時間管理を強化したりできる
  • オンライン会議への移行により、多様な働き方を実現したり、会議資料の準備を簡素化したりできる
  • 資料を電子化することにより、書類の管理業務を削減できたり、機密書類の紛失などのミスを防いだりできる
  • 電子契約化することにより、経費や人件費のコスト削減になる

2. DX化の8つのメリット

DX化は企業にさまざまなメリットをもたらします。DX化により企業が得られるメリットは、主に以下の8つです。

  1. 業務効率と生産性の向上
  2. 多様な働き方への対応
  3. 従業員エンゲージメントの向上
  4. 人手不足の解消
  5. コストの削減
  6. データの蓄積と分析が容易になる
  7. データを活かしたマーケティングの実現
  8. データ分析によるリスクの早期察知、回避

それぞれのメリットについて、詳しく解説します。

2-1. 業務効率と生産性の向上

DX化への取り組みの中では業務の見直しや棚卸しを行い、業務の中にはデジタル化することにより効率化や生産性の向上を目指すものもあります。加えて業務を棚卸しする中で、無駄な業務や重複している業務を取り除くことで、必要な業務に時間が割けるようになるでしょう。全社的にDX化を推進することで、部門にとどまらず全社的な業務効率化や生産性の向上が期待できます。

2-2. 多様な働き方への対応

DX化によりクラウド化やオンライン上でのコミュニケーション化が進めば、必ずしもオフィスにいる必要がなくなり多様な働き方に対応できるようになります。クラウド化を進めることで社内データに場所や時間を問わずアクセスできるようになり、自宅からや外出先からでもオフィスにいるかのような作業効率で業務に当たれます。

多様な働き方への対応は、BCP対策の強化にも効果的です。データをクラウド化させておくことは事前災害による物理的なダメージを受けづらいうえ、出社困難な状況でも業務を止めずに済みます。

2-3. 従業員エンゲージメントの向上

DX化を進めると業務効率化により今まで無駄と感じてきた業務を簡素化できたり、やらずに済むようになったりし、従業員の業務そのものに対するストレスを軽減できます。さらに社内データにすぐにアクセスできる状態を作ることでスキルアップのための情報を手に入れやすくなったり、オフィスにいなくてもアクセスできて出社が必須ではなくなったり、従業員のエンゲージメントを向上させられます。

2-4. 人手不足の解消

DX化により業務効率が上がったり、無駄な業務を省いたりできれば、不要な業務に充てていた人的リソースを必要な業務に補填できます。その結果人手不足の解消につながります。

また、特定の個人に業務が偏ってしまう属人化もDXで解消できます。同じ業務を複数人で回せるようになれば突然の欠席や退職でも業務が滞ることがなく人手不足の状態が緩和されるでしょう。

2-5. コストの削減

DX化で業務をデジタル化させることで生産性が上がり、結果としてコストの削減につながります。「DX化のためのシステム導入の費用が高い」と感じる経営者や担当者は多いでしょう。しかし、システムを導入することで人手が不要になる業務やそれに伴う必要業務への人員の再配置を考えれば、長期的に見てコスト削減できるのは明らかです。不要な業務から外れた従業員は新しいビジネスの創出に必要な業務を任せるなど、企業のこれからを支える役割を任せていけます。

2-6. データの蓄積と分析が容易になる

DX化するとシステムにもよりますが、社内のデータを一元管理できるようになるものもあります。特に紙媒体でのデータ管理は担当部署や担当者にしかアクセス権限がなかったり、必要なデータを探すのに時間がかかったりなど管理や活用が難しいです。

その一方でDX化によって一元管理されれば、データは全社的にアクセス可能な場所に蓄積され、誰かひとりが厳重に管理する必要がなくなります。一元管理されているデータは従業員からのアクセスを容易にするだけでなく、新たなマーケティング施策の考案やビジネスの創造に役立てるための分析も行いやすくなります。

2-7. データを活かしたマーケティングの実現

DX化によってデータが一元管理されていれば、ありとあらゆるデータを掛け合わせた分析が可能になります。より多くのデータを活用したデータ分析を行うことで、今まで見えなかったデータの関連性なども見えるようになり新しいマーケティング施策を実現できます。

2-8. データ分析によるリスクの早期察知、回避

DX化でデータ分析をしていると、今後起こりうるリスクなども予測できます。リスクを早期察知できると、これから取り組もうとしていた施策の見直しや現在実行中の施策の改善ができリスクからの回避が可能です。

3. DX化を阻む3つの課題

DX化にはさまざまなメリットがあるのにもかかわらず、実現を阻む課題は少なくありません。どのような課題がDX化の実現を阻んでいるのでしょうか。3つお伝えします。

3-1. DX人材の不足

少子高齢化の影響を受け、日本の労働人口が減少傾向にあるのは周知の事実です。その中でもDX化を進められるようなIT人材は少なく、どの企業でも確保が課題になっています。特に中小企業だと専任がつけられず、人材の確保が難しいがゆえにDX化の実現が阻まれています。

3-2. レガシーシステムの存在

レガシーシステムとは導入されてから長い時間が経過した旧型のシステムです。レガシーシステムが企業内で蔓延っていると、新しいシステムを導入したくても柔軟性がないがゆえに連携が取れなかったり、互換性がなかったりなど問題が起こってしまいます。システムの一新をするとなるとハードルが高く実現に向けた行動が取りづらくなってしまいます。

3-3. DXに対する誤解

そもそもDXに対して誤解があると、ただIT化で業務効率化を図り時間を節約するだけと考えてしまい、DX化の重要性を感じられなくなってしまいます。DXは企業が競争の激しいこれからの市場の中で存続していくためのマーケティング施策の考案、新しいビジネスの創出、共感してもらえる企業文化への改正のために必要なことです。特に経営層の理解が得られていないと、DX化の推進は難しいものになってしまいます。

4. 課題を解消しDX化を実現する3つのコツ

DX化を進めるためには課題の解消が必須です。課題を解消してDX化を実現するための3つのコツをお伝えします。

4-1. DX化を阻む課題と達成したい目標を明確にする

DX化を阻む課題があるのであれば、まずは課題がどのようなものなのかを明確にする必要があります。課題が明確になったら解消のための手立てができます。このとき、達成したい目標も明確にできていると、課題解消のその先の行動や施策も自ずと見えてくるでしょう。

4-2. トップダウンでDX化に取り組む

DX化への取り組みは経営層の理解が必須です。そもそもDXとは単に業務効率化ではなく、会社全体として新たなビジネスを創出したり、企業文化に変革を起こしたりするものです。そのため、経営層がどのような方向性で進めていきたいのかを明確にしないことには取り組んでも目指す先が不明確になってしまいます。DXを早く実現するのはもちろん、効果を十分に得るためにもトップダウンで取り組む必要があります。

4-3. 業務効率化のような小さなことから始める

企業の変革を目的としたDXは規模が大きく、どうしても取り組み始めるのに尻込みしてしまうでしょう。大規模な施策にいきなり取り組もうとしても難しいため、まずは業務効率化のような小さなことから始めていきましょう。DX化はデジタル化から始まります。最初は一部の部署からでも良いので、小さく始めていきましょう。

【まとめ】DX化のメリットは業務効率化に留まらない!まずは社内のリテラシー向上に取り組もう

DXは企業に変革を起こして競争性を高め、これからも企業を存続させていくことを目的としています。DXの目的が十分に理解できていないと、単に業務効率化するものと思ってしまうでしょう。しかし、DXには業務効率化以外にもさまざまなメリットがあります。取り組んだDXの効果を最大限に引き出すためにも、そもそもDXに取り組むためにも、まずは社内のリテラシー向上に取り組みましょう。

DX化の推進には、専門的な知識と経験が必要です。当社のDX支援サービスは、業務効率化から新しいビジネスモデルの構築まで、企業の成長をサポートします。DXの導入を検討している企業に向けて、現状分析からソリューションの提案、導入後のフォローまで、総合的な支援を行います。

デジタル変革を通じて、競争力を高め、持続的な成長を実現しましょう。DX推進に関するご相談は、ぜひ当社にお任せください。

▼▼▼お問い合わせは下記まで▼▼▼
https://www.kk-sun.co.jp/dx_support/

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