【業種別】DXの成功事例10選

DXとは、デジタル技術を活用して、企業の競争力強化や新たな価値創造を行うことです。本記事では、さまざまな業種のDX成功事例を紹介し、DX推進のヒントを提供します。DXに取り組む企業の担当者や、DXに興味のある方はぜひご覧ください。

成功事例1.株式会社LIXIL(製造業)

LIXILは、住宅設備機器・建材を扱うグローバル企業です。変化の激しい消費者ニーズに対応し、さらなる成長を遂げるため、全社的にDXを推進しています。LIXILが重点を置いているのが、顧客体験の向上と業務効率化です。

LIXILは、オンラインショールームにAI音声認識を活用した接客サービスを導入し、耳の不自由な方や日本語が母国語でない方でもスムーズに相談できる環境を構築しました。また、AI技術を活用したプラン提案ツールを開発し、顧客の要望に合ったプランを迅速に提示できるようにしました。コールセンターに音声認識技術を導入し、顧客対応の効率化も図っています。

これらの取り組みにより、LIXILは顧客満足度向上と業務効率化を実現しました。AIを活用したサービスは顧客に好評で、従業員の業務負担軽減にもつながっています。LIXILは今後もDXを推進し、顧客に寄り添うサービスを提供していく方針です。

参考:デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組み | 経営方針・体制 | 株主・投資家向け情報 | 株式会社LIXIL

成功事例2.株式会社日立製作所(製造業)

日立製作所は、ITやエネルギー、産業、モビリティなど幅広い事業をグローバルに展開する企業です。日立は、社会課題の解決と持続的な成長を目指し、全社的なDXを推進しています。特に力を入れているのが、グループ全体でのDX推進体制の構築とデジタル人材の育成です。

日立は、DXを推進するための専門組織を設け、グループ全体のDX戦略の策定と実行を担っています。この組織は、DXノウハウや共通プラットフォーム、ITサービスを提供することで、各事業部門のDXを支援しています。また、デジタル人材の育成にも注力し、研修や認定制度などを通じグローバルな人材育成を強化してきました。

これらの取り組みによって、日立はグループ全体でDXを推進し、業務効率化や事業の競争力強化を図っています。DXを通じて得られた知見や技術を活かし、顧客や社会への貢献を目指しています。

参考:DX推進体制:日立グループにおける社内ITの取り組み:日立

成功事例3.株式会社クボタ(製造業)

クボタは、農業機械、建設機械、エンジンなどを製造・販売するグローバル企業です。食料・水・環境分野における社会課題の解決を目指し、DXを推進しています。特に、マイクロソフトとの戦略的提携により、クラウドサービス「Azure」を活用したDXを加速させています。

クボタは、Azureへの基幹システム移行を進めています。これにより、AIをはじめとする先端技術の活用が容易になり、グローバル規模でのデータ活用が可能になりました。また、AIを活用した画像診断プログラムを導入し、製品検査の自動化にも取り組んでいます。

これらの取り組みによって、クボタは業務効率化や製品品質の向上を実現しています。また、グローバル規模でのデータ連携や分析が可能となり、顧客ニーズに合わせた製品開発やサービス提供を強化しています。

参考:マイクロソフトとの戦略的提携でクボタのDXが本格的に加速する! | クボタプレス | 株式会社クボタ

成功事例4.三井不動産株式会社(不動産業)

三井不動産は、オフィスビルや商業施設、住宅など、多岐にわたる不動産事業を展開する企業です。顧客満足度向上と生産性向上を両立させるため、DXを推進し、あらゆる空間にデジタル技術を実装しています。

同社は、シェアオフィス「ワークスタイリング」にQRコードを用いた非接触入退館システムや、個室利用者向けのサウンドマスキングを導入しました。また、決裁・会計システムをフルクラウド化し、ペーパーレス化やモバイル化を推進することで、業務効率を大幅に向上させました。

これらの取り組みによって、三井不動産は顧客満足度向上と業務効率化の両立を実現しています。DX推進本部を設置し、専門人材の採用を強化するなど、今後も積極的にDXを推進していく方針です。

参考:DX本部|三井不動産の組織|事業紹介|三井不動産

成功事例5.ソニー損害保険株式会社(金融業)

ソニー損保は、自動車保険や火災保険などを提供する損害保険会社です。交通事故の削減を目指し、AIを活用した新たな自動車保険サービスを提供しています。

ソニー損保は、AIを活用した運転特性連動型自動車保険「GOOD DRIVE」を開発しました。この保険は、スマートフォンのアプリで運転特性を計測し、事故リスクを推定します。そして、その結果に応じて保険料を最大30%キャッシュバックします。

「GOOD DRIVE」は、事故リスクの低い運転をした顧客にキャッシュバックというインセンティブを提供することで、顧客の事故リスクの低減、ひいては交通事故の少ない社会の実現を目指しています。

参考:AIを活用した運転特性連動型自動車保険「GOOD DRIVE」販売開始 | 2019年度 | ニュースリリース | 自動車保険ならソニー損保におまかせ!

成功事例6.株式会社トライグループ(教育業)

トライグループは、個別指導塾を運営する教育企業です。地理的要因や経済状況に左右されず、誰もが質の高い教育を受けられる社会を目指し、DXによる教育機会の提供に取り組んでいます。

トライグループは、映像授業サービス「Try IT」を開発し、インターネットを通じて誰でも無料で利用できるようにしました。このサービスでは、定期テスト対策や受験対策など、6,000本以上の映像授業を提供しています。また、地方自治体との連携や学校での活用など、利用シーンも拡大しています。

その結果、「Try IT」は100万人以上のユーザーに利用されるサービスとなり、教育格差の解消に貢献しています。

参考:勉強のわからないを5分で解決 | 映像授業のTry IT (トライイット)

成功事例7.日本航空株式会社(航空業)

日本航空(JAL)は、航空輸送サービスを提供する企業です。安全運航を追求し、顧客に新しい価値を提供するため、積極的にDXに取り組んでいます。

JALは、航空機整備のデジタルトランスフォーメーションを推進しています。AIや量子コンピューティング技術を活用し、航空機の故障予測や整備計画の最適化に取り組んでいます。また、エアモビリティ事業にも注力し、ドローンや空飛ぶクルマなどの次世代エアモビリティ事業も推進しています。

これらの取り組みが評価され、JALは経済産業省などが選定する「DX銘柄2024」に2年連続で選定されました。

参考:JAL、2年連続で「DX銘柄2024」に選定|プレスリリース|JAL企業サイト

成功事例8.日本郵船株式会社(物流業)

日本郵船は、海運業を営む企業です。顧客価値向上と事業の変革を目指し、中期経営計画 “Sail Green, Drive Transformations 2026” を策定し、DXを推進しています。

同社は、船舶の建造に3Dモデルを活用することで、設計・承認プロセスの効率化を進めています。また、運航船舶から陸上へIoTデータを毎分送信するシステムを導入し、船と陸上のデータ連携を強化しています。

これらの取り組みにより、日本郵船は業務効率化や顧客サービス向上を実現しています。2024年には経済産業省などが選定する「DX銘柄」に選ばれ、その取り組みが高く評価されました。

参考:「DX銘柄2024」に選定 | 日本郵船株式会社

成功事例9.セブン&アイ・ホールディングス(小売業)

セブン&アイ・ホールディングスは、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどを展開する小売企業です。顧客の利便性向上と豊かな生活体験の実現を目指し、グループ全体でDXを推進しています。

同社は、グループ共通の会員IDである「7iD」を活用し、顧客一人ひとりに合わせたサービス提供を強化しています。また、ラストワンマイルDXプラットフォームを構築し、配送効率の向上や顧客の受け取り場所・時間の選択肢を増やすなど、利便性の高いサービス提供を目指しています。

これらの取り組みによって、セブン&アイ・ホールディングスは顧客満足度向上と業務効率化を図っています。また、デジタル人材の育成にも注力し、DXを推進できる人材の確保にも取り組んでいます。

成功事例10.山口県(自治体)

山口県は、行政サービスの向上と地域課題の解決を目指し、県全体でDXを推進しています。特に、県と市町が連携したデジタル化を推進することで、地域全体のデジタル化を加速させています。

山口県は、「山口県デジタル推進本部」を設置し、県庁全体のデジタル化を推進しています。また、市町との連携組織として「山口県デジタル・ガバメント構築連携会議」を設置し、情報共有や意見交換を行っています。

これらの取り組みによって、山口県は行政サービスの効率化や利便性向上を実現しています。県と市町の連携強化により、地域全体のデジタル化が加速し、住民サービスの向上につながりました。

参考:自治体DX推進参考事例集|総務省

【まとめ】成功事例を参考に、DXへの取り組みを考えよう

DXは、企業の成長や競争力強化に不可欠な取り組みです。本記事で紹介した10の成功事例を参考に、ぜひ自社のDX推進に役立ててください。

DXを成功させるためには、明確な目標設定、適切な技術の選定、従業員の意識改革、そして継続的な改善が重要です。

DXは、一足飛びに実現できるものではありません。段階的な取り組みを通じて、着実に成果を積み重ねていきましょう。

株式会社サンでは、中小企業の革新と成長を共に目指すパートナーとして、DXサポートサービスを提供しています。私たちはDXマーク取得企業としての知見を活かし、現状分析や目標設定から施策の実施、効果測定・改善までを一気通貫でサポートします。中小企業診断士による、DX推進に活用できる補助金の選定・支援も可能です。

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