採用力とは「企業が求める人材を採用するための計画性や実行力」のことです。本記事では、採用力を高めることの重要性、採用力が高い企業の特徴などを詳しく解説しています。採用力を高めるためのポイントも紹介しているため、自社に合った採用活動について関心のある採用担当者の方は、参考にしてみてください。

1. 採用力とは

「採用力」という言葉に明確な定義はなく、人によってさまざまな解釈ができますが、一般的には「企業が求める人材を採用するための計画性や実行力」のことを指します。

採用力検定を実施している一般社団法人 日本採用力検定協会では、採用に対する視座・採用に真摯に向き合う姿勢・採用を良くするための知見や技能・意思決定の5つで構成されたものが「採用力」と定義しています。

つまり、採用力とは採用に関する知識やスキルだけでなく、真摯に向き合う姿勢などのマインドを含めた総合的な能力のことをいいます。

参考：https://saiyouryoku.jp/about/

2. 採用力を高める重要性

採用力が重要な理由は、企業全体ひいては社会全体に良い影響をもたらすためです。

単調な採用方法を実施しているだけでは、企業が求める人材の獲得は難しいといえるでしょう。人材戦略に基づいた採用計画を実施するなど、企業の採用力を高めることにより、採用活動の効率化にも繋がります。

そのため、企業にとって採用力を高めることは非常に重要であるといえます。

3. 採用力が高い企業の特徴

採用力が高い企業には、複数の共通点があります。ここでは、代表的な6つを紹介します。

3-1. 採用の目的・求める人物像が明確になっている

採用活動にあたって、採用力の高い企業は”何のために採用するのか”という目的と、目的に合った人物像を具体化できている特徴があります。専門的な部署で即戦力になる人材がほしいのか、数年後を見越した育成メインの人材がほしいのかなど、企業の状況によって目的はさまざまです。

目的を踏まえてターゲットを明確にし、企業と求職者との間にミスマッチが起こらないようにしましょう。

3-2. 採用の目標が明確にある

採用の目標が明確なことも、採用力の高い企業の特徴として挙げられます。目標を明確にすることで、採用の評価や効果を測定しやすくなり、採用活動の精度が高まります。

目標を立てる際は、4月までにシステム部署に10名採用する・今期の採用コストを5%削減するなど、数字を使って具体的に立てると、目標に向けての行動がイメージしやすくなるでしょう。

3-3. 自社の強み・魅力を上手く発信できている

採用力のある企業は、自社にしかない強みや魅力を発信できている特徴があります。

仕事内容や給与面、待遇だけを発信しても、求職者が興味を持ってくれる可能性は低いでしょう。自社をアピールしている企業は求職者の目にも止まりやすく、興味を持ってもらえる可能性が高まります。

自社の魅力をアピールするには、まず自社の特徴を整理するところから始まります。会社の魅力は、社員の人柄、企業のサービスなどさまざまです。求人情報の内容だけでなく、ホームページやSNSなどの媒体を駆使して、自社に合ったアピール方法を試行錯誤します。

また、自社が思う魅力は求職者も魅力に感じてくれるかどうかも重要です。採用力の高い企業は求職者目線にも立ち、多角的な視点から自社の魅力を伝えています。

3-4. 自社に合った採用方法を選択している

近年、求人情報は転職サイトのみに関わらず、自社のホームページや人材紹介、SNSまで多岐に渡っています。同じサービスでも、20代向けのものや未経験者メインのもの、特定の職種に特化したものまでターゲット層はさまざまです。採用力が高い企業は、採用を効率的に行うために、使うサービスを使い分けています。

採用活動の際は、求めるターゲット像に合わせて最適なサービスを選ぶようにしましょう。自社で行う場合は、採用する人数や予算も考えながら進めていくのが重要です。

3-5. 採用担当者の目線が合っている

複数行われる採用面接で、採用担当者間の目線が合っているのも、採用力が高い企業の共通点です。もしも採用担当者間での判断ポイントが一致していないと、自社に合った優秀な人材を不採用にしてしまう可能性もあります。

採用担当者全員が同じ指標で採用活動を進められるよう、経験やスキルなど具体的な判断基準を設けておくようにしましょう。面接の場合、評価基準を明確にする「面接評価シート」を使うのも効果的です。

3-6. 入社後に人材が定着・安定している

採用力の高い会社は、人材が入試した後も定着し、安定している傾向にあります。求める人材が入社した場合も、すぐに退職してしまっては意味がありません。採用したら終わりではなく、入社後も安心して働けるような環境づくりをしながら、定着・活躍することで初めて採用活動は成功といえます。

入社してから、業務量が多すぎる、孤立してしまっている、周りに相談できる人がいないなどのギャップが生じないよう、社員がやりがいを持ちながら働けるような環境づくりへの注力が重要です。

4. 採用力を高めるためのポイント

ここからは、採用力を高めるためのポイントを紹介します。自社で出来そうな取り組みから始めてみてください。

4-1. 採用の手法を見直す

思うように採用活動を進められていない、もっと効率的に採用活動を進めたいという場合は、改めて採用の手法を見直してみましょう。

自社に合わない手法で行っていると、気付かないうちに無駄な工程やコストがかかり、採用活動がスムーズに進まなくなっている恐れがあります。

採用の目的や求める人材、予算、採用の目標などを今一度洗い出し、自社に合った採用の手法を取り入れることで採用力の向上に繋がります。

4-2. 採用市場・競合他社の分析

採用市場は常に変化し続けます。中でも、同じサービスを提供している競合他社などのライバル企業の情報は常にチェックしておくことをおすすめします。

競合他社と比較しながら自社の課題を見つけ出し、継続的な精査と改善で採用力の向上に結びつけていきましょう。

4-3. 採用戦略の立案

採用戦略とは、企業が求める人材を効率よく獲得するために立てる戦略のことです。採用戦略を立てることにより、企業に合った人材の採用や、定着および活躍に繋がりやすくなるというメリットがあります。

採用戦略を立てる際は、採用担当者のみでなく、会社全体を理解している経営陣や広報、主要部署の部長陣なども含めて実施しましょう。会社全体の物事として捉えながら協力し合うことが重要です。

採用戦略は、一度実施しただけで成功するとは言い切れません。中長期的に実施するため、効果や課題を精査しながら進めていくと、より効率的な採用活動が実現します。

4-4. 労働環境を見直す

求職者にとって、会社の労働環境は非常に重要視するポイントです。給与面や待遇面、勤務地、休日、福利厚生など、自社の労働環境に課題を感じる場合は、見直しを検討しましょう。近年は、働き方改革などでリモートワークにも注目が集まっているため、アピールポイントとして取り入れるのも効果的です。

ただし、実際の労働環境と、求人情報の内容に剥離が生じないよう注意が必要です。会社としての信用を失いかねず、トラブルや早期離職に繋がります。

【まとめ】自社に合った方法で採用力を高めよう

採用力は、企業の安定や社会全体の活性化など、採用活動を進めていく上で非常に重要です。採用力を高めることにより、優秀な人材の獲得や、離職率の低下など多くのメリットがあります。

採用力を高めるためには、自社に合った採用活動がポイントです。自社の課題や魅力を今一度整理して、会社全体で効率の良い採用活動を実施していきましょう。

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