反社チェックとは、採用面接者や既存従業員に対して欠かせない”反社会的勢力との繋がりがないか”をチェックする手続きです。本記事では、反社チェックが必要な理由や実施のタイミング、行う方法とポイントなどを詳しく解説しています。反社チェックに関わる採用担当者や人事担当者は参考にしてみてください。
目次
1. 反社チェックとは
反社チェックとは、企業が採用面接者や既存従業員、取引先に対して反社会的勢力でないか、反社会的勢力との繋がりがないかをチェックする手続きです。反社会的勢力とは、暴力団や準暴力団、半グレ、総会屋のほか、暴力的な要求などの行為もすべて含まれます。
反社チェックは、別名「コンプライアンスチェック」とも呼ばれており、採用時や既存従業員に対しても実施されます。
2. 反社チェックが必要な理由
採用面接者や既存従業員、取引先への反社チェックはなぜ必要なのでしょうか。企業の反社チェックが必要な理由を4つ紹介します。
2-1. 政府が指針を示しているため
日本政府は、2007年に「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を公表しています。この指針では、コンプライアンスの遵守・社会的な責任を担うため、企業と反社会的勢力との関係遮断を強く推奨しています。
また、政府は反社会的勢力による被害を防止するための基本原則として「組織全体での対応策」「外部の専門機関と連携する」「取引を含む全ての関係を遮断する」「有事の際の民事、刑事の法的な対応」「裏取引や資金提供も一切禁止」という5つを明記しています。
政府の指針に従うことで、企業としての社会的責任を全うすることにも繋がります。
参考:https://www.mhlw.go.jp/topics/2007/07/tp0719-1.html
2-2. 暴力団排除条例があるため
各都道府県では、企業や個人が反社会的勢力との関わりを遮断するために「暴力団排除条例」を制定しています。例として、東京都では、”契約する企業が暴力団関係者との繋がりがないか”を確認する努力義務が課されています。
この条例は暴力や脅迫、詐欺などの犯罪の排除を図り、健全な社会の保護に繋がっています。
参考:http://www.rilg.or.jp/htdocs/img/reiki/123_bouryokudan.htm
2-3. 取引中止のリスクを回避するため
企業が反社会的勢力との繋がりを持っていることが発覚した場合、社会的信頼を失うだけでなく、取引先や金融機関との取引が打ち切りになるリスクがあります。取引が打ち切られると、経済的な打撃を受けるうえに、今後の信頼回復も難しいといえるでしょう。
反社チェックを徹底することにより、取引先や金融機関と良好な関係を築けて、健全な取引を維持できます。
2-4. 上場できないリスクを回避するため
上場を目指す企業にとって、反社会的勢力との関わりは株式市場からの信頼を失うリスクがあります。投資家や株主は反社会的勢力との関係を強く避けているため、自ら企業の価値を下げて上場の機会を失うことになりかねません。
株式市場からの信頼を得て上場を目指すためにも、反社チェックは欠かせないといえます。
3. 反社チェックのタイミング
反社チェックをするタイミングは、主に4つあります。
3-1. 採用面接前
面接前の段階で反社チェックをすることにより、企業の評判低下や取引中止などの想定されるリスクを事前に回避できます。採用面接前に反社会的勢力との関わりがあると判明した場合は、従業員として採用できません。
企業の信頼性を保つためにも、採用面接前の反社チェックは不可欠といえます。
3-2. 入社前
入社前の反社チェックでは、採用者に反社会勢力に関する誓約書を提出してもらいます。採用前の段階で反社会的勢力との繋がりがなくとも、採用した後に関与する可能性はゼロではありません。
誓約書には「現在、反社会的勢力に関与していないこと」「今後も関係を持たないこと」を明記しましょう。加えて、採用者が契約違反を犯した際に内定取り消しや解雇の処置を受けることをあらかじめ記載しておくと、トラブルを回避できます。
3-3. 役員就任前
既存の従業員が役員に就任する前にも、反社チェックは欠かせません。採用前に反社チェックをしている場合でも、会社のトップとなる責任を持つため、再度反社チェックすることを推奨します。その際は、採用前に提出した誓約書とは別に、新たな誓約書を提出してもらうと良いでしょう。
3-4. 上場前
上場の際にも反社チェックが必須です。上場企業になると、企業としての信頼性が高まる一方、社会的な責任もこれまで以上に求められます。上場準備を進めながら、取引先・既存従業員への反社チェックを実施してください。
4. 従業員の反社チェックの方法
反社チェックは、採用前の内定予定者や既存従業員が反社会的勢力との関わりを持っていないかチェックする非常に重要な手続きです。適切に実施するために、反社チェックの詳しい方法を紹介します。
4-1. 公的情報などを検索する
公知情報の調査は、自社でもできる簡易的な反社チェックです。「GoogleやYahoo!などインターネットサイトでの検索」「新聞の記事検索」がその一例です。採用前の内定予定者や既存従業員の情報を検索することで、個人や企業の背景を調査できます。
調べる際は、どのような条件で検索し、どのような結果が出たかをエビデンス(証拠)として必ず残しておきましょう。
4-2. 調査のプロに依頼する
公的な情報でのチェックも必要ですが、自社で反社チェックをする場合はチェックスキルに限界があったり、コストがかかったりします。そのため、疑わしい従業員を見つけた場合などは、プロに依頼するのも一つの選択肢です。
ここでいうプロとは、調査会社や興信所、探偵事務所を指します。専門的な調査機関は、必要な情報収集の専門知識を駆使して、より深く踏み込んだ調査が可能です。プロに依頼する際は、かかるコストも踏まえて検討するようにしましょう。
4-3. 行政機関に相談する
自社や調査会社でのチェックにおいて危険度が高いと判断された場合は、警察や公益財団法人暴力団追放運動推進都民センターなど、行政機関への相談が必要です。その際、該当する従業員の情報や調査結果エビデンスの提出も忘れないようにしましょう。
自社だけで解決することは難しいため、従業員の雇用前に行政機関へ相談することをおすすめします。
4-4. 反社チェックツールを利用する
反社チェックツールとは、個人や取引先に反社会的な繋がりがないかをチェックできるツールです。公的なデータや情報を利用しており、手間や時間をかけずにチェックできます。導入にはコストがかかるため、予算を考慮しながら検討してみてください。
また、ツールによっては古い情報のまま更新されていない可能性もあります。更新頻度やツールの信頼度、クオリティを調べるために、無料体験から始めるのが安心です。
5. 従業員の反社チェックを行う際のポイント
反社チェックをする際に押さえておきたいポイントを3つ紹介します。
5-1. 反社チェックは内定前に実施する
反社チェックは、雇用関係が成立する前に実施しておくことが重要です。内定前に反社チェックを行うことにより、企業と反社会的勢力との繋がりを未然に防ぎ、法令違反を避けられます。
もしも従業員と反社会的勢力の繋がりが発覚した場合は、企業にとっても大きな痛手です。取引先や金融機関からの信頼喪失のほか、該当者の解雇にも時間と労力を費やす必要があります。このようなトラブルを未然に防ぐためにも、内定前の反社チェックは不可欠といえます。
5-2. 収集してはいけない個人情報に注意する
反社チェックを行う上で個人情報の収集は重要ですが、中には企業が収集してはいけない個人情報もあります。厚生労働省の指針によると、人種や民族、社会的身分、門地、出生地、思想や信条、労働組合への加入状況などは、企業が入手してはならない個人情報です。
反社チェックを行う際は、このような国が定めた指針を遵守する必要があります。不安な場合は調査のプロに依頼することで、法令違反の心配がなくなるため安心できるでしょう。
参考:https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/haken4/1a.html
5-3. 契約書に反社条項を追記する
反社条項とは、「反社会的勢力の排除に関する条項」の略です。契約を締結する際に、反社会的勢力ではなく繋がりもないこと、暴力的な要求行為は一切しないことを保証するための条項です。
従業員と結ぶ契約書にこの条項を入れることにより、契約違反が発覚した場合は該当する従業員を即座に解雇できます。
6. 従業員が反社チェックに引っかかった場合の対処法
従業員が反社的勢力と繋がりを持っていた場合は、速やかな対応が必要です。もしもの場面に備えた対処法について紹介します。
6-1. 顧問弁護士・行政機関に相談する
従業員が反社チェックに引っかかった場合は、まず顧問弁護士や行政機関に相談することをおすすめします。行政機関とは、警察や暴力追放運動センターが該当します。自社だけで解決を図った場合、相手からの不当な要求や脅迫の可能性はゼロではありません。専門知識を持っている専門家や機関に頼り、適切な対応や解決策を提示してもらいましょう。
6-2. 解雇手続きを行う
採用時に提出された誓約書をもとに、速やかに解雇手続きを進めます。誓約書に従業員からのサインをもらっていた場合は、すぐに解雇手続きが可能です。もし誓約書に反社会的勢力に関しての事項が明記されていない場合は、内容の見直しを行うようにしてください。
【まとめ】従業員の反社チェックは適切な方法とタイミングが重要
採用面接者や既存従業員、取引先に対しての反社チェックは、企業全体のトラブル回避のほか、健全な事業の維持につながる重要な手続きです。また、反社チェックを実施していても適切な方法で実施できていないと、企業全体の信頼を失うことにもなり得ます。
反社チェックを行う際は、専門家や機関にも積極的に相談しながら、適切な方法とタイミングで実施しましょう。
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