新卒採用に適した母集団形成方法とは?成功の3つのポイント

新卒採用における母集団形成とは、自社の求人に興味や関心を持っており、採用選考に応募してくれる可能性のある学生を集めることを指します。新卒採用において、自社の求める優秀な人材とマッチするためには、質の高い母集団形成が不可欠です。

本記事では、新卒採用における母集団形成の目的などの基本知識から、母集団形成方法の種類、自社のターゲットに合った方法で成功するためのポイントについて詳しく解説します。

1. 母集団形成とは

新卒採用における母集団とは、「自社の求人に興味や関心を持つ就職者(=学生)」のことであり、母集団形成とは、このようなターゲットのエントリーを集めることを指します。

しかし、ここでいくら多くの学生応募者を集めたとしても、見極めに時間がかかるだけで自社が求める優秀な人材とマッチできなければ意味がありません。逆に母集団が少なすぎてもそもそも学生を選ぶ選択肢がなければマッチングは難しいでしょう。そのため、応募者の量だけではなく質も高め、企業の採用目標数や採用ターゲットに合わせて適切な母集団を形成する必要があります。

1-1. 新卒採用における母集団形成の目的

上述の通り新卒採用における母集団形成の目的は、自社の求める人物像にマッチした学生を集めることです。採用活動のスタート地点である母集団形成のタイミングで学生をスクリーニングしていくことで採用活動の効率低下を防ぐことができ、かつ採用ミスマッチを防ぐことができるので新入社員の早期離職を防ぐことにもつながります。そのため採用・教育コストの削減のような副次的な目的の達成もできるでしょう。

1-2. 新卒採用の母集団形成における課題

画像引用:https://www.career-tasu.co.jp/wp/wp-content/uploads/2023/05/k_kigyochosa_2024.pdf

2023年に株式会社ディスコが行った「2024年卒採用活動の感触等に関する緊急企業調査」によると、採用を行っている企業の73%が母集団形成を採用活動全体における課題と答えており、これに悩む企業は2022年から年々増えています。

したがって「母集団形成」は、採用活動において最終的な目標達成を左右する重要なポイントといえます。

2. 新卒採用で母集団形成を行う3つのメリット

続いて、新卒採用で母集団形成を行うメリットを3つ紹介します。

2-1. 採用コストを削減できる

1つ目は、採用コストを削減できる点です。

採用広告費、人件費、内定辞退に伴う費用など、採用活動にかかるコストは年々増加しています。

採用活動の中の母集団形成のタイミングで質の高い母集団を集めることで、結果的に選考に係る時間や労力、コストを大幅に削減し、採用活動全体の効率化を実現することにつながります。

2-2. 採用におけるミスマッチを防止できる

2つ目は採用におけるミスマッチを防止できる点です。

母集団形成で自社が求める人物像にマッチした人材を集めることで、入社前と後のギャップを最小限に抑え、採用ミスマッチを防止することができます。結果として新入社員の早期退職にもつながります。

2-3. 優秀な人材を確保できる

3つ目は、優秀な人材を確保できる点です。

少子高齢化の進む近年では、優秀な学生の獲得競争が激化しています。この競争に勝つためには、採用活動の初期段階である母集団形成の時点で他社との差別化を図ってより質の高い母集団を集めることが重要となります。

3. 新卒採用の母集団形成を成功させるための3つのポイント

続いて、新卒採用で母集団形成を成功させるための3つのポイントを解説します。

3-1. 採用ターゲットを明確化する

1つ目は、採用ターゲットを明確化することです。

具体的には。どのような層の学生にアプローチしたいかを考えてペルソナを作成し、その学生が興味を引くような情報やその打ち出し方を考えて発信するのが良いでしょう。採用ターゲットを明確化することで、求める人物像に近い学生がより集まりやすくなります。

3-2. 広告で知名度の向上

2つ目は、広告によって知名度を上げることです。

自社にいくら素晴らしい事業企業力があったとしても、それを学生に認知されていなければ応募者を集めることは難しいでしょう。

発信したい情報を各種新卒採用ナビサイト、SNSなどで広告を出し、企業の知名度を着実に上げていく必要があります。その際、大手のナビサイトへの記載は企業の知名度を上げることを特に後押ししてくれるでしょう。

3-3. 学生動向の把握

3つ目は、学生動向の把握です。

年度や業種によって新卒学生の就活の仕方は様々ですが、ターゲット層の学生の動向をリサーチして把握し、それに合わせた採用活動を行うことで効果的に自社の求める母集団を集めることができます。

4. 新卒採用で母集団形成を行う手順

続いて、新卒採用の母集団形成を行う際の基本的な手順を解説します。

手順1. 採用計画の策定

最初に行うのは採用計画の策定です。

ここでは目標やスケジュール、募集する職種、採用人数などを決定します。そのうえで自社の戦略や現状、予算などを考慮しながら求める人物像をできるだけ明確にします。

手順2. 募集要項の作成

次に募集要項の作成を行います。

策定した採用計画に基づいて求める人物像や職種、給与、応募方法や選考のスケジュールなどを具体的に記載します。その際に企業の理念や強みをアピールし、応募する学生にとって魅力的な内容になるようにしましょう。

手順3. 情報発信のための広報活動

続いてターゲットに向けた情報発信のために採用広報活動を実施します。

具体的にはインターネット広告や新卒採用ナビサイト、SNSなどを活用してターゲットが興味を引くような情報やその打ち出し方で発信します。

手順4. 応募者の管理・選考

次に応募者の管理・選考を行います。

提出された応募書類を審査し、選考を通過した応募者には面談・面接、筆記試験など次の選考に移ってもらいます。選考結果は応募者にしっかり伝え、選考過程において透明性を確保することが重要です。また、面接の際は、応募者のスキルや経験、人物像なども総合的に見て判断するのが良いでしょう。

手順5. 内定者のサポート

内定者を決めたら、入社までの間は内定者のサポート期間になります。

具体的には定期的に内定者とコミュニケーションをとることで、内定者の持つ入社前の不安をできるだけ解消できるようなサポートをしましょう。その際に入社前に必要な資格や研修、オリエンテーションなどの情報を内定者に提供します。この入社前の準備期間を有効に活用することで入社後の動きもスムーズになります。

5. 新卒採用の主な母集団形成方法9選

最後に、数ある新卒採用の母集団形成の方法の中から主要なものを厳選して9つ紹介します。

5-1. 就職サイト

新卒採用において最も一般的な母集団形成方法として就職サイトが挙げられます。

メリットとしては、就職サイトの利用者は非常に多いため、幅広い学生に自社を認知してもらいやすいです。特にマイナビやリクナビは登録学生数がほかの媒体に比べて圧倒的に多く、広報期間開始の時期に合わせて積極的に学生に向けた広告展開ができます。

デメリットとしては、大手就職サイトであることから記載社数が非常に多いため、差別化が難しく、自社の情報が埋もれてしまう可能性が高いことです。

就職サイトを効果的に活用するには、サイト内での上位表示オプションを活用するなど、サイト内運用を計画する必要があります。

5-2. 新卒紹介サービス(新卒エージェント)

新卒紹介サービスとは、自社の採用条件に合った学生をサービス会社が厳選して企業に紹介するサービスです。

メリットとしては、企業の知名度ではなく、伝わりにくい職務内容やスタイルと学生の適正をマッチングしてもらえるため、就職サイトでは出会えなかった学生と手間をかけずに接触することができます。

デメリットとしては、エージェントを介して紹介されるため、接触できる学生数が少なくなってしまう傾向があります。そのため、この手法は採用人数が少ない場合により効果的でしょう。

新卒紹介サービスをを効果的に活用するには、担当のエージェントに企業理解を深めてもらえるように、密なコミュニケーションを取ることが必要です。

5-3. 合同説明会

合同説明会は直接学生とのコンタクトを取りたい企業におすすめです。

メリットとしては、単独で企業説明会を行うよりも一度に多くの学生が集まるので、より多くのターゲットに出会うことができます。

デメリットとしては、合同説明会に参加するのが大手企業が多い場合、中小企業は自社ブースへの集客が困難に感じてしまう可能性があります。

合同説明会を効果的に活用するには、開催時期や集客数、種類などから、自社の目的に見合った効果が見込めるような合同説明会に参加することが重要です。

5-4. マッチングイベント

合同説明会よりも小規模に行われるマッチングイベントは、企業認知に課題を持つ中堅・中小・ベンチャー企業、採用資金が少ない企業にとっておすすめの方法です。

メリットとしては、一度のイベントで平均50~100人程度の参加数であるため、知名度があまりない企業でも、企業の魅力や事業の強みなどをしっかりとアピールできます。

デメリットとしては、採用に直接つながる可能性が低いことが挙げられます。

マッチングイベントを効果的に活用するには、イベントでの魅力付けが不足しないよう、プレゼンや面談の際の担当者側の役割分担やシミュレーションなどの事前準備をしっかり行っておく必要があります。

5-5. 学内セミナー

特定の学部や専門性に特化した人材が欲しい場合、ターゲット大学に訪問し、学部などを絞って学内セミナーを開く方法がおすすめです。

メリットとしては、コストをあまりかけずにターゲットとする学生に出会える点が挙げられます。また、学内セミナーが上手くいけばその後も定期的に顔を出す機会が得られるため、継続的に学生にアプローチすることができます。

デメリットとしては、大学側への出店依頼が多い場合、なかなか受け入れてもらえない可能性があります。

学内セミナーを効果的に活用するには、辛抱強く大学へアプローチし、大学の教務課とのパイプを作るなど、事前準備を行うことが必要です。

5-6. ダイレクトリクルーティングサービス

ダイレクトリクルーティングサービスは、登録されている学生に直接コンタクトが取りやすい母集団形成方法です。

メリットとしては、サービスに登録されている一人一人に合ったスカウトメールを送ることができるため、自社が求める学生に質の高いアプローチができ、レスポンスもよい点が挙げられます。比較的情報感度の高い学生の登録が多いのも特徴です。

デメリットとしては、運用の際には多大な時間が必要となってしまいます。欲しい学生を引き付け、口説き落とすにはそれなりの時間も必要です。

ダイレクトリクルーティングサービスをを効果的に活用するには、ダイレクトリクルーティングからの特別選考フローを作るなど、スピーディーな選考を行うことが必要です。

5-7. リファラル採用

長期的な母集団形成方法としても効果的なのがリファラル採用です。

リファラル採用は、すでにいるその年の内定者や、新入社員へ友人紹介・後輩紹介を実施する方法です。

メリットとしては、ローコストで同じような価値観や考え方をもった人材を効率的に集めることができる点が挙げられます。また、リファラル採用で集めた学生の場合、内定辞退率や離職率が圧倒的に低く抑えられる傾向にあります。

デメリットとしては、社員満足度が低い土壌の場合はそもそも紹介を集めるのが困難になってしまう可能性があります。

リファラル採用を効果的に活用するには、社員満足度を向上させることで土壌を固めることや、友人紹介キャンペーンや後輩紹介キャンペーンなどのインセンティブを設けてみるのが良いでしょう。

5-8. 自社の新卒採用サイト

近年では企業理念とは別に採用コンセプトがある企業も多くあります。

その場合、自社ホームページとは別で新卒採用サイトを開設して自社らしさを伝え、学生への魅力づけに活用するという方法もあります。

メリットとしては、就職サイトにはない自社らしさを伝えることができる点が挙げられます。

デメリットとしては、採用サイトを制作したとしても、そのサイトをより多くの学生に見せるような運用ができなければ母集団形成手法としては成り立たないという点が挙げられます。

自社の新卒採用サイトを効果的に活用するには、SNSを合わせての利用や合同説明会や企業説明会などのイベントでQRコードを配るなどの工夫が必要です。

5-9. SNS

近年、SNSを活用して母集団形成を行う企業も増えています。

メリットとしては、企業認知を高めたり、定期的な情報提供を実施することで応募意欲を高めることにつながる点が挙げられます。

また、日常的にSNSを利用する学生は多く、気軽にメッセージのやりとりができるという点においてもメリットがあります。

デメリットとしては、直接的に応募受付することや学生の個人情報を取得することが難しいです。

SNSを効果的に活用するには、SNSをあくまでも情報提供の場として利用し、自社の新卒採用サイトと結びつける必要があります。また、情報の更新頻度も計画し、情報を途切れさせないようにすることも心掛けましょう。

【まとめ】新卒採用に適した母集団形成方法で効果的に採用活動を進めよう

本記事では、新卒採用活動を進めていくにあたって必要不可欠な母集団形成方法と、その基本から成功のための3つのポイントまで解説してきました。

母集団形成は採用活動のファーストステップにあたる部分です。その後の採用活動をスムーズかつ効果的に進めるためにも適切な母集団形成方法を選びましょう。

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